一応個人作家(服飾が専門です)なのに、それ関係の記述が殆ど無いブログ(笑)。

前、帽子教室の生徒さんにも指摘されたが、作っちゃうと気が済むので色々わざわざ書くのが面倒くさくなるのですね。
普段から作るのが当たり前なので、物珍しくもなんとも無いというのもある。普段身につけているものも自作(ニット系は違うけど)。素人臭がしないので(当たり前だ、プロだし)、皆気がつかないことも多いみたい。しかし、一応やっているという証拠にたまには書かないと、とも思うので書く次第。

今年に入ってから、10年以上前!からお付き合いのある染織作家・吉田美保子さんとのコラボ制作で鞄を企画中。

きっかけは、彼女が昔からのお客さんから合切袋のオーダーを貰ったことから。所謂定番の典型的な形ではなく、美保子さん作の布・someoriyoshidaの布を使い、立体的なものを作って欲しいという特殊なご依頼。他に相談できるところもない、ということで、何でも屋の私のところに話が回って来ました。

実はかなり前ですが(丁度娘が生まれたての頃)彼女の初個展に3人コラボ制作をしよう!ということで、竹細工の作家さん・吉田佳道さんに底を特別に編んでもらい5種制作をする、という贅沢極まりない作品作りをさせてもらったことがあるのです。これは、凄く面白かったですが同時に凄い大変だった(笑)。乳幼児の子育ての合間に必死に納期に間に合わせ制作するという、何で出来たのか今考えると良く分からん状態でした・・勢いだけでやってましたね。

細々とずっとお付き合いがあり、今回のお話もいただきましたが、やりとりの間のオマケの話の中でそういえば自分が使いたい丁度いいトートって意外と無いんだよね・・じゃ、商品化も考えてみようか?という話の流れに。フォーマルとカジュアルの合間でどの位置付けのものを作るのか?というのところから今うにゃうにゃやってます。未だ何も決まっていないので、どうなることやらですが。

話戻って、今回制作の合切袋ですが、意外とええかんじに仕上がりました。

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慌てて写真撮ったので、イマイチ物がわかりにくい写真ですみません。底が15センチ円で。というお客様からの指定があったので円筒形に近い形。

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今回は、お客様から「アーシル・ゴーキーで」という御題も頂いておりました。
ゴーキーは抽象画の絵描き。ミロと似てるっていえば似てますが、もっと切実とした感じ。

ゴーキーっていうと、朱赤。

でも、グーグル画像検索すると、実際の絵の画面上で多用されているのは褪めたレモン色とかグレーなんだよね。
不思議だけど、赤を感じさせる作家。この印象。

これは、発注主も同じだったようで、裏地はリネンの朱赤になりました(一応二つ提示したが、思った通りの指示)。

唸りつつ、側面の布地のコーデを考える。出来るだけ沢山の布で。ということで上記の感じで。
「オヤジの持つ物だからといって、地味にしてくれるな」ということだったのでこういう構成に。
ゴーキーの切実さに迫れるか?

と思いつつ、物としての強固さとアクセント的なものも考えて、一番先に痛んでくる底との接ぎ目の部分端と底・紐・紐通し周りを黒革で。

ラフは作りましたが、結局のところは一発勝負。

仕上げてみたら、それなりにまとまって、ホッとした感じ。発注主の誕生日に間に合わせたい、ということですぐさま発送。
やりとりの詳しいところは、吉田美保子さん自身がもっと素敵な写真を添えてブログ記事にして下さってます。興味がある方はそちらも是非ご覧下さいませ~(続く)