カンボジアの美の楽園、伝統の森IKTTの話(クメール伝統織物研究所)

京都イベント情報・訪問記

なんてこった!知らんかった。森本さんが、最近鬼籍に入られたとは。

昨日の午後、法然院でのIKTTの現地報告会+展示会に行って、初めて知った。前日にFBで知って、午前の自主企画イベントの後に回ったのである。

IKTTの森本喜久雄氏は、カンボジアのアンコールワットがあるシェムリアップに「伝統の森」を作り上げた人。彼は元々京都の友禅職人。ファッション化していく業界に違和感を感じ、アジアの各地を放浪した時にカンボジアの染織品に出会い、その美しさに衝撃を受ける。

カンボジアは古来よりアジアの染織社会を牽引する中心的な土地柄。そこで産出されるラックダイの赤は、確かルネッサンスの引き金となったんじゃなかったっけ・・(記憶あいまい)。しかし、泥沼化した内戦で森は焼き払われ、ラックはおろか、伝統的染織産業全体も壊滅寸前状態になっていた。

森本氏は未だ内戦が完全終結していないカンボジアに入り、各地の伝統織物の職人の調査をして回り、その後織物の為に荒地から森自体を作り上げ、染料も復興。カンボジア絣の伝統の消滅の危機を救った。いまだ自転車操業ではあるが、「伝統の森」は世界中から人が訪問する場所になって居るらしい。凄いことである。

実は私、約20年前に二度、森本さんに会って居るのですよ。
昨日は、あれ、久しぶりにIKTTや。最近はどんな仕事してるんやろ。・・と思って回ることにしたのであったが。

私が彼と会ったのは、丁度「伝統の森」をスタートさせるかどうか、といったタイミングの時だったように思う。六本木ヒルズが出来る前の時期・・六本木の染織ギャラリーでの展示会でお会いしたから、丁度2000年頃か?

二度目にお会いした時は、丁度私はインドネシアのイカットの布を首に巻いていて、森本さんに褒められた記憶がある。多分、彼の中に丁度絣の復興のイメージがあったのであろう。その頃IKTTはスタートアップの為の資金集めのカンボジアツアーを企画していて、強烈に誘われた記憶が。

私としては、丁度なけなしの資金を全部ヒラタの授業に使ってオートモードの修行をしている最中で全く金銭的・時間的余裕が無かった。それと母の織物の仕事をみて育ったから、染織がどれほど恐ろしい世界か知っていたのもあって、織物に憧れが全くなかったのもある。知らなければ現地に見に行って、うっかりその世界に嵌っていた可能性も無くも無いな・・と思うと感慨深い。

報告会では、今年取材放映された「情熱大陸」の放映カット映像を含む動画を拝見。たった20年でここまで作り上げた、この彼の人生そのものが「全生」ではないか・・強烈な人生である。

森本氏は、伝統をそのまま復興しても意味が無い、我々が作り出すものが伝統となるのだ、とよく語られていたという。

IKTTも、彼亡き後も人が離れることは殆ど無く、今まさに30歳代を中心に新しい伝統への動きが芽吹き始めているようだ。展示会に出ていた布を見ると、ある程度完成されていて商品としてもバランスがいいが、絣の仕事はまだまだ伸びしろがあるように私としては感じた。

これから全国を回って報告会・展示会だそうです。本日20日尼崎、明日21日米原柏原、26日江東区深川。12月2日広島、3日尾道。今、染織をはじめ、美に関わっている人には是非見て欲しい仕事である。

やれば出来るという証拠。大地に根付いた染織はパッと見たらさりげないが、やっぱり手にとると全く違う。襟を正す内容の仕事を拝見できて、感無量でした。
都合つく方は、是非報告会とともに参加されたし。

報告会とは別に、ドキュメンタリー映画「カンボジアの染織物」の放映もこれからされるらしい。先ずは東京で11/23の自主放映会は決まっているそうです。

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