現代の衣服ーーその殆どが、極端に着る人との関係性を排除したものと言えないだろうか。
「裂織」は刺し子と並び 、約百年前に東北地方を中心に行われたボロ布の利用方法の一つである。
ほんの少し前まで一寸四方の布あれば棄てるな、と言い伝え、女達が家族の衣服を整えていた時代があった。裂織の技法も、布そのものが手に入らない時代の貧しさと共に語られることが多い。しかし今残された布たちを見ると、純粋に「モノ」としての存在感に圧倒されるのは何故だろう。
「モノにはイノチがある」。かつて布端を慈しみ、生き抜くために働いてきた女達は一様にそういったそうだ。
果たして現代に生きる私達は、その「モノ」を感受する力を、未だ持ち得ているだろうか?
着なくなった古着物を解き、洗い、裂いて糸にし、織る。見様によっては執念ともいえる裂織の技法。
その膨大な手作業を難無く一人でこなし、楽しみながら服にしてしまう作家が居る。
彼女の作る服はエコロジー的な意味合いをすでに乗り越え、新しいテキスタイルとして語れるものだと思う。
今回の展覧会では創作された服と共に、「裂織」についての解説展示も行う予定。
日本人の民族服であるのに、必要とする手間ゆえに日常着でなくなった「着物」。
それを再考するきっかけに、今回の展示がなれば幸いです。
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善林ひろみ 裂織創作服展
2020/1/24(金)-26(日)
10:00-17:00
入場無料
FBイベントページ https://facebook.com/events/807014133083891/
会場:Bonjour! 現代文明 https://bongenbun.com/
〒604-0906 京都府京都市中京区新烏丸通竹屋町上る東椹木町121
121, Higashisawaragicho, Nakagyo-ku, Kyoto, JAPAN
地下鉄東西線 京都市役所前駅 徒歩7分
地下鉄烏丸線 丸太町駅 徒歩13分
京阪 神宮丸太町駅 徒歩9分
Tozai Line “Kyotoshiyakushomae” station (7 min. walk)
Karasuma Line “Marutamachi” station (13 min. walk)
Keihan Line “Jingu Marutamachi” station (9 min. walk)
JR京都駅「A2」から4・17・205系統に乗車し、「河原町丸太町」バス停下車 徒歩4分
from “A2” platform at Kyoto Station, ride on 4, 17, 205 Line to “Kawaramachi Marutamachi” stop (3 min. walk)