昨日の続きの記述。福知山にある丹波生活衣館では入館してすぐのところに木綿の布作り材料の一式が展示してあり、誰でも自由に触れる状態にしてあります。懐かしの、綿の種とり機。我が家にもありましたよ。

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展示館の方が丁寧に、使い方を教えてくれます。昔やらされましたが、あのキシキシいう感じが苦手だったな・・と小学生時代を思い出す私。我が娘はこの作業が妙にツボだったらしく、結局展示の綿全部を黙々と種取作業することに。

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種とったら、ほぐす作業。所謂綿打ちです。昔話とかに出てきますね~ 実家ではあまりの手間に自家栽培の綿で糸紡ぎをするのを断念、この道具はありませんでしたので初体験(といっても、手紬の糸で着物を織ってた母自体が驚異的)。

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おお懐かしや、の糸紡ぎ機。現役です。形も地方によって違うらしく、丹波地方はこの形。どこだったっけ、ハンドル無しで直接放射状の輪を指先でまわして使う形もあると母が昔、言ってたな~(ちなみに私は綿紡ぎ、できません。あの作成作業を傍で見ていて、わざわざやる気になる人はあまり居ないと思う。)

なんと!小学校5年生以上なら、糸紡ぎの講習会に参加できます(小学生は保護者同伴)。10時から15時まで、先着8名で受講料も材料費の500円と格安。月一回開催で、枠があれば当日でもOKというゆるいかんじ。
写真撮り忘れましたがこの糸紡ぎの講習会のメニューで機織も出来ますので、いろいろやりたい人は開催日時・予約など直接問合せを。

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記念に綿の種を分けていただきました。もう撒かなきゃいけない時期であることが、昨日判明(ホントは4月)。一晩水に漬けてから撒く方がいいらしいので、早速段取です~

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そして超レア本、河口三千子先生の執筆本Get。これ買いにいったようなものです・・ずっと欲しかったんだよね。ここでしか買えない貴重な本です。

内容は、地元新聞に連載された生活衣に関する話。方言自体も無くなってしまうかも・・ということもあり、わざと福知山弁で記載されたとか(母談)。読んでいて、地元出身の人にはとても懐かしい言い回しだろうと思う。

昔の女性がどんな思いで糸を紡ぎ、布を織り、旦那や子ども達の衣服を作り、使っていったのか・・を思うと、めまいがしそうな心地にもなりますわ。

織布は経とによって作られる。経糸は生まれ持っての運命、緯糸は各個人が自由に自分の色を出せる。織は人生そのもの、念仏を唱えるように織りなさい、という師の教えを母は教条的と捕らえたようですが、昔の織物から立ち上ってくる女たちの執念ともいえるくらいの思いを如何繋いでいくのか・・我々世代の課題ですな。

すべて手作りが当たり前だった時代、女性たちの労働量は半端無いものだったろうと思う。が、それが全部抑圧的なものだったとも言い難い。無くなってしまうと、取り返しのつかない「文化」というものに思いを馳せるのでした。