土曜、行って来ました大阪まで。我がシンプルライフ研究所の名刺印刷でもお世話になっている、大阪の孔版・シルクスクリーンの印刷屋さん・レトロ印刷。普通に印刷受注だけではなく素人向けの小サイズ・シルクスクリーンキットを企画してみたり、ゴム版の版面をオーダー出来たりとか、「ちょっとあったらいいな」を次々と形にしている注目の会社。独自の世界を展開していて、一度いってみたいな~と思ってはいたのです。先日の土日、「紙マーケット」と称してイベントをやるとのこと。こりゃ行かねば。

地図調べると、結構微妙な場所にある。いっそのこと、歩いた方が早いかということで、阪急梅田から徒歩10分強で印刷屋さんがいっぱいあるエリアの中にありました。意外と近い(行く人は、地図調べてね)。

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入ってみると、人いっぱい。

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好きに紙選んでリングファイルとかミシン縫いで小冊子に出来るコーナーとか、紙バッチコーナーとかもあった。

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つい先日、デザイン変更して追加発注したばかりなので「JAM置き」にてウチの名刺発見。

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このシルクスクリーンの出来るコーナーが気になる。トートとか、ミニハンカチとかこどもTシャツとか。こなれた値段設定、流石です。

土曜は14時からオリジナル紙開発をした製紙会社・富士共和製紙株式会社さんのトークがあるということで、参加。始まる前にちょっとお聞きしてみると、一般の方に紙の話をすることはほぼ無い(通常問屋さんとか業界者向け)とのことでした。実にレア。レトロ印刷オリジナル開発紙・富士わら紙(ホントに藁が入っている紙なのです)をウチでも使用、その生産者さんの話とあっては聞かないわけには参りません。

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なかなか、マニアックな話を聞けましたよ~エッ、そうなの?という情報満載。

今現在、紙を作る為に森林伐採をしているということは、先ず無いのだそうです。原料・バージンパルプは先ず家具などのために使われた木材の使えない場所のハギレから作られるとのこと。材料の古紙使用も、全体の紙生産量比率からいうと6割近くになるとか。現在の紙生産は実にエコなんですね。

コストの側面からどうしても日本の木材ではなく輸入木材をつかわざるを得ないという現状がありますが、木というものは再生産できるもの。日本の国土はほぼ山林ですが、そのうちの1%だったっけ?を製紙会社さんが保有していて全体のCO2削減に結果として貢献しているのだそうな。海外の紙生産も植林事業と平行して行っているので、そういう点でエコのために紙使用抑制する必要はあまり無いのではという話。エコ考えるなら、紙抑制より石油使用を減らした方が効率的のような気がします。

古紙はエコなイメージがありますが、実際のところパルプに戻すのに一工程増えて機械動かすのに石油を使うので、微妙といえば微妙。個人的には出来上がりの紙に独特な風合いが出るのが好きで、面白いなと思うのですが。コスト的には、バージンパルプでも古紙でもほぼ同じぐらいの値段になるそうです。

最近のペーパーレスの流れから情報伝達が「データ」が中心になって、紙などの「手触り」で物を見るという感覚が急速に失われつつあるようなのが気がかり、と富士共和製紙さんは言っておられました。

特殊紙を専門にされているからこそ、の話はとても面白かったです。レトロ印刷さんでは、またこの夏あたりに富士共和製紙さん見学ツアー第二段を計画中とか。紙好きの方、是非どうぞ~~