芸大の先輩からの紹介があり、彫金・組紐作家である奥野備仙さんのアトリエ訪問に行って来ました!一人で行くのも勿体無い・・・かなこさん(雪柳庵主人)とママ友さんを誘い女三人で。まさに姦しいので「姦レポート」(と勝手に命名)です。

奥野さん、彫金が専門ですが組紐もされるらしい。そして、最近は「大麻」を使って組紐制作をされるとか。実はこの素材で、帽子とかが作れないか相談したい(私帽子専門ですから)ということで行くことになったのです。

大麻といえば。

あの麻薬の原料にもなる植物ですな。実、滋養があり美味しい(食べたことある)。非常に繁殖力が強いことから縁起物として着物の柄にもあるとおり、かつてはあちこちに生えてて庶民に親しみのある素材でもあった筈。

日本で麻といえば、苧麻か大麻。絹と麻、どっちが素材としては古いのやろ。。庶民は圧倒的に麻を纏っていた筈やろな~~とか思っていたら。今着物のことやろうとしてて、この話。おお~キターって感じやん。

大麻

おお、美しい。。
実はかなり昔に催事出店してた時、大麻の農家さんとご一緒したことがあるのですよ(いろいろ関連商品も開発しておられる)。聞いてみたらやっぱり、そこの大麻。
今栽培されている大麻の品種は改良されていて、殆ど麻薬成分はないという話をその時に聞いたな。でも、大麻は栽培認可制で非常に厳しい規制のもとにあるのです。

大麻は、あの神社の「ガラガラ」ってやるやつ(鈴緒すずお、叶緒かねのお)の縄の部分に使うんですよ。非常にカミサマ的な素材でもある。

茎の芯部分は、お盆の送り火の時に家の前で焚くオガラです。

天然染料で染められた大麻も美しい。ひとつ問題があって、大麻は機械紡糸ができないんだそう。現代の量産体制に組み込めない。糸が必然的に手紡ぎになることから、布素材として普及しにくい。商品にしたら凄い値段になっちゃう。そしてそもそも、ちゃんとした糸を作れる人があんまし居ない・・手ごわい素材でもあります。

という話を伺いつつ、帽子作るってなると・・どうなるんかなという話題に。

これで帽子って、ちょいヤバイ。強すぎるで。とかなこさん(雪柳庵主人)即答。何がヤバイかって、スピ的にです。さすが寺嫁。。
欲しい人は天と繋がるツール的に作成を希望されているようですが、場合によっては大変な事になる可能性の話など。まぁ、色んな事例を実際に知ってる人は違いますな。。

大昔に大麻をそれこそ全身に纏って生きていた時代の日本人達は、精神的にも肉体的にも今とは比べ物にならないくらいの修練を積んでいたことでしょう。今みたいにヤワヤワ状態で生活自体、出来ないしな~~。

実際これでまともに何か作るとなると、お値段すごいことになる。
いろんな意味で「選ばれし者」の為の素材ですな。

とはいえ。消費されないと生産者さん自体が継続出来ない危機的状況でもある。
素材自体に魅力も感じるので、何か形にならんかな~

そして。大麻の組紐ってどういうものなのか?ということで、別室の奥野さんの作品も見せていただけることに。うっとり。

奥野備仙作品 奥野備仙作品

う~ん、飾れる部屋がまず必要ですな(笑)。奥野さん自体も凄い素敵な方。お会いできて本当に嬉しかったです~~

奥野備仙

作品はご縁のある方に口コミで販売しておられるそう。いいもの見せていただきました。感謝。