普段あまり耳にしないとは思うが、「正常性バイヤス」という言葉を聞いた事があるだろうか?

社会(災害)心理学で使われる言葉ですわ。
災害の只中に居合わせた時に、理由も無く「いや、自分は大丈夫。これは何かの間違いだ」と考えて、目の前で起こっている事実を認知しない・危険から逃れる行動をおこさない心理状態や特性のこと。

具体的に言うと。例えば、今、突然非常ベルが大音量で鳴ったとしますね。

「エッ!火事??」

とは思わず、

「アレ!?誤作動で鳴ってる??」

と、とっさに思うのが「正常性バイヤス」。人は、今までと同じように今日も明日も生きていけると思うもの。そういう先入観が普通、あるんですわ。日常の肯定ですね。安全で平和が日常・・・それ自体は素晴らしい事ですが、コレって凄く危険だと思いませんか?

せっかくのアラームを無視してしまう心理が、あなたにも私にもベースにある。

実際、2003年前に韓国で起こった地下鉄火災事件。放火により車両火災が起こり、煙だらけのホームに何故か警報機が鳴って入ってはいけない筈の反対車線の車両も進入。運悪く数日前に警報機誤作動事故があり、車掌には「正常性バイヤス」がかかっていた。結果これは200名弱の人が亡くなる大惨事となったが、全く困ったことをしでかす人も居るね~ とかいってる場合ではない。ここから何を学ぶべきか。

先ず、日本に住む私たちはどういう状況にいるかを冷静に振り返ってみよう。

2011年の東日本大震災直後、政府から出された「非常事態宣言」は解除されていません

お分かりですね?

そう、今は何がどうなってもおかしくない「非常時」です。そういう中に私たちは生きてます。そして(だから?)、政治も無茶苦茶です。奇跡的に放射能汚染度が低くて済んでいる関西以西のエリアにわざわざお金かけて汚染物質運ぶ政策を着々と進行してたり、今更大間に原発作ろうとしてたり、高浜原発再稼動してみたり・・訳分かりません。生き残ろうとしたくないんかね、といった内容をぐいぐい推し進めてます。

もう震災から6年経ってんですよ。ええかげん、「放射能」ってことについてある程度知識無しでもう、生きていくの無理でしょう。少なくとも日本国内で生活するのなら。
特に小さい子どもを抱えるお母さんこそ基本的なこと知っておいて欲しいのだが、本読む時間も取れないのは凄く分かる。内容膨大すぎてどっから説明したらええのやら(涙)と思っていたら、先日ジャーナリスト守田敏也さんの静岡での講演会がYoutubeにアップされていたのを発見。これは、素晴らしい。凄く分かりやすい。

守田さんの話はいつもとても分かりやすい。私は内部被爆については大家の矢ヶ崎先生の話より、彼が喋ってる方が分かりやすかった・・学者先生の話を分かりやすく噛み砕いて「通訳」してくれる方です。喋って居るのを聞けば、膨大なデータを元にお話されているのが分かります。

これ、現代生活を送るにおいての基礎知識と言っていいと思う。

この動画、2時間弱と長いです。自主避難者である私は、まぁ大体知ってる内容だろうな~と思いつつ3回くらいに分けて確認しましたが、あの三田先生の東京のデータが報道ステーションで世に出る直前に古舘サンもろとも握りつぶされたのは知らんかった。被曝、福島より東京・横浜エリアの方が全般に大きい影響が出てると見た方がよさそうですね・・。悲しい事実だが。

何をするにも、先ずは現状認識から。この動画で語られて居るのは、本当に必要なところのダイジェスト。よく2時間に納めたなと思う。是非お時間とってご覧下さい。