ついにスタートしました!母とジョイントでの作品発表。
なんとな〜く来客が同じタイミングに重なりそうな予感が強烈にしますが、今回の展示、本当に沢山の人に是非みて欲しいと思っています。
母は私が小学校に入学したのを機に織物を勉強しはじめ、そのキャリアはもうあと少しで四十年。福知山の河口三千子先生に師事し、棉から手紡ぎをして周辺の草木で染めをし着物の布地をかつては織って居ました。日本工芸会の研究会員になり、西陣の問屋さんに卸していたのでかなり本格的に取り組んでいたと思います。
そんな母がどういうきっかけで「裂き織」に出会ったのかは忘れましたが、古い着物のリサイクルともいえるこの技法で織物を始めました。
皆さん、「裂き織」って知っていますか?
要するに、ボロ織です。昔は棉さえナカナカ入手出来ない山村では、古着を手に入れて着尽くした後は裂いてリボン状にして織り、作業着用の帯にしたり背負子の肩紐にしたりしていました。
十年ほど前に手織りブームだった時に、裂き織も手作り好きの方々の間で流行ったようです。どちらかというとざっくりとしたマットのイメージを持っている人が多いかも。北欧にも似たような技法があるらしいですね。
母も最初はマットとかテーブルセンターとか織ってましたが、そんなに沢山あってもというものであるのも事実。そこで、昔洋裁をやっていたのもあり、10数年まえから服を作るのに取り組み始めました。
最初は布が重くなってしまったり縦糸の強度に問題が出たりとか、色々大変だったみたいですが研究に研究を重ね、ついに全く新しいテキスタイルの服が完成。
これ、凄いのは殆どシワにならないんですよ。裂いた布地が空気層をつくるのか、軽くて暖か。汚れも殆どつかないそうで、洗濯不要。
母の作品の持ち味は、とにかく色使いがモダンで垢抜けていること。元々着物の仕事をしていたせいか、緻密で繊細なところもあります。ただの趣味では片付けられないクオリティですが、本人は作家と呼ばれるのは何故か嫌みたいです…。今回家が遠いので、本人は来ないのですが。
服は立体なので、やっぱり実際身に纏わないとその本当の良さは分からないもの。写真だとどうしても色使いが正確に表現出来ないのよね〜
終日会場には居ります。是非、この機会にお出かけ下さい。
善林英恵 ひろみ 親子展
12/1(木)ー6(火) 10:00-17:00
町家シェアオフィス 京都市上京区笹屋町通大宮西入枡屋町601
問い合わせ 075-431-1120(もえぎ設計)