ふと漢字の世界で揺ぎ無い碩学・白川静が気になって対談本「知の愉しみ 知の力」を読んでみた。2011年の本である。

凄いわ。これ。

「字通」「字統」「字訓」の三部作、なかなか分厚くて実物拝読してませんが、流石に異分野の私でさえ知っている。これ、なんと60歳過ぎてからの仕事とか。

対談は、渡辺氏が白川先生の話を引き出す形で行われているが、90歳過ぎてなお連日原稿用紙30枚ペースでかき続けるそのパワーの秘密に具体的に迫っている。ブログを書いてみると分かりますが、毎日文章書くのって凄いエネルギーのいること。驚異的ですわ。

白川先生は所謂エリートコースの人ではない。

日々の過ごし方から始まって、孔子さんの話・漢学を現代に取り戻す提言などなど。
幸田露伴センセイの話も出てくるが、昔の本当に勉強している人の学び方は半端無い。書かれている事はすぐ実践出来る事ばかり。

今の政治家は古典を知らないから駄目なんだ、明治の頃のリーダーたちは「春秋左氏伝」を読んでいた、外交官には必須であろう。とあったけど、どんな本なんだろう・・読みたい本が増えて困るな。

古典は分かっても分からなくても先ず覚えてしまうのがいい、とあったので娘が本格的に漢字を学び始めたらそういうのを一緒に学ぶ機会を作れればな~と思いました。

とにかく面白い。本当に智恵ある先人に久しぶりに会った気がする素晴らしい本でした。オススメ。