台風のせいで、昨日は琵琶湖へのお出かけ(よし舟を作って乗る会)が一週間延期に。さて、退屈する娘の相手にどこいこうか。と思ってなんとなくFBを見たら、吉田寮見学会があるらしい。ということで、行って来ました。

殆ど予備知識無く行ったのですが、吉田寮は京大の学生寮。
ずっと前に何度か脇(建物の南側を通る東大路を東に入った近衛通)を通った時に、この古めかしい木造建築は一体・・??とは思っていたのですよ。どうもココらしい。

私古い建物好きなので、なんやかや縁がある。昔、写真家の原久路氏のデビュー作制作に全面協力したときも、不思議な縁で知った古い医院を使わせてもらう段取を散々したわ。。まぁ今回は築100年の木造建築ということで、どんなところやろという、完全冷やかし訪問。

行って見てビックリ。
え!ここに今も人(京大生さん)、住んでるんや!

いろんな意味で、ラビリンス(笑)。

う~ん、50年以上前の世界にタイムスリップしたような感じ?

窓ガラスとか、昔のままや(今では作られない丸い筒にしてから板にしたやつ)。サッシじゃないから、冬の寒さは凄そう。材木は建造当時の材は柾目使用、となかなか贅沢である。創建当時は流石旧帝大、結構ココに入るのもステイタスあったんじゃないだろうか。

残念ながら、全体に片付けと掃除は行き届かない現場を散見。凄いな・・・廃屋一歩手前で何十年も受け継がれてきたようだ。。

何でも、昨年いきなり2018年9月末で寮生全退去という勧告が大学側からなされ、学生さんも困っているらしい。いろいろ聞くと、建物の問題(耐震性とかさ)で退去を言われているが、大学側との交渉基盤はなく、本当のところの理由は明かされていないみたい。。

強制退去にこのままだとなるので、プロジェクト化して外部(市民)からの意見求む!ということをしたらどうだ!と学生さん達は考えたらしい。(と私は経緯説明を受け取った。詳しくはウェブを参照のこと)

→市民と考える吉田寮100年再生プロジェクト

今度の土日(8/5.6)も見学会をするらしいので、興味ある人は実際に行ってみて欲しい。

私、勝手にいろいろ帰ってきてから考えていたんだが。
山間部のダム建設とか原発建設とか軍事施設建設とかに、ちょい似てるな。物事の話の進み方。

まず自治されているとは言っても、実際のところは大きな運営に関しては大学に依存してる。場所の運用を学生が決定しているだけで、建物自体を持っていて施設全般の補修など具体的に動いて居るのは大学である。3年前に建ったという新棟の使い方見ても、学生さんの使い方はエライ粗い。お世辞にも綺麗とは言いがたい。

これ、ちゃんと自治している感が傍目に出ないと、大学側との同等の交渉のテーブルにはつけないんじゃないの? てな感じが私はする。

話聞くとこの寮のシステムは面白くて、最初は大部屋に大人数で共同生活をしてから、グループ分けをして3部屋に4人割り当てとかいう住み方をするらしい。「話し合いで部屋運用の仕方を決める」という、現代ではあまりみられない集団の合意形成をするというのは、吉田寮ならではの文化というか伝統でもあるのだろう。

一斉強制退去させられてしまえば、この文化のようなありかたそのものは確実に失われる。という危機感を持っている学生さんが今回のプロジェクトを立ち上げているようだが、200名くらい居るという寮生でどれくらい意識を共有できるかが、今後の話の展開を左右するような感じかな。

外から(市民案)の意見で、大幅に問題解決するというのはチョイ難しい予感が。今まさに寮を使っている人が、そこを残したいのなら自分が何をできるのか考えて行動しないと駄目であろう。

ま、私だったら周囲からバカ呼ばわりされるのを覚悟で、朝から晩まで建物中のゴミ出しと掃除を連日ひたすらやると思う。

わざと、ゴミを散らかす心無い人も出てくるであろう。

目に見えるホンキしか、人の心は動かせないと思う。